PIERRE-AUGUSTE RENOIR
陽光、薔薇色の肌、余すことなく美しい。
何度も、立っていることを忘れそうになった。
でも、ところどころに張られた解説が——英文と日本語とが併記されていたのだけれど——おそらく元の文章は英語で書かれて、それを翻訳したのだろうが、日本語文のニュアンスが原文のそれとはどうも決定的に乖離しているように感じられ、少し残念。
あと、作家の言葉はフランス語で記してほしかった。
ムーラン・ド・ギャレットのダンスにしろ、肖像画という文化にしろ、ひいては画布に描く絵画そのものも、生存に必要なこととは一線を画すブルジョワジー的な文明成熟の所産とでも言い得るものなわけで、無批判に肯定するのは困難なのだけれども、兎に角美しいものは良い、ということと、それでも画家の感受性の純粋さには一点の偽りもないということで取り敢えず思考停止。