clap3’s blog

哲学的実践の記録。きみの鞄は未だ重いのかい?

人生の荷物 5 ジャケットとパンツ

  • 服を着ないで過ごすことは至難な世の中です。
そういう前提をひとまず受容した上で、洋服を減らす為にどうすればよいか吟味しました。すると、制服化するという選択にすぐに行き着きます。
自分が目指すのは、完璧にシックであること。
 
世の中には様々な種類の衣服の形態があり、さらにその組み合わせということとなれば、万華鏡の模様の数ほどにもなります。しかし、その中で真にシックといえるものはかえって少ない。
自分の規則が、スタンダードの資格を得ていないものは使わない、例えば、チェスターフィールドコートやトレンチコートはいい。もとを辿れば一個人の変わった仕立てや軍服だったかもしれないが、フォーマルとしても通用するようになっている。
機能性の高いアウトドアウェア——防水のマウンテンパーカーや薄くて軽量な割に保温効果に優れるダウンジャケットとか——は、やはり違うな、となる。時の洗礼を受けておらず、少なくとも略礼装程度には受け入れられていないもの、これはいけない。
 
色柄もの、スポーティなもの、ワークウェア、癖の強いもの、凡て取らない。僅かに参考にしたのは、古い映画とかドキュメンタリーなんかで、ヨーロッパの人々とかが完璧に普段着としてジャケットとパンツのセットアップを身につけているスタイル。
第一次大戦や第二次大戦の記録映像や、明治、大正、昭和初期の日本人の端正な洋装を写した幾葉かの写真、キューブリックの時計仕掛けのオレンジやそういったもの。
いかにも上品で、しかもポエチカルだ。
 
というわけで、持っているのはセットアップだけ。色は黒もしくは黒に近いダークグレーのみ。ドレスコードのあるところでも基本大丈夫。そんなところいかないけれども。何より着ていて自分が心地よい。
 
 
高城剛氏という人は面白いことを述べていて、どうすれば野宿もできて、バイクも乗れて、ディナーや冠婚葬祭にも出席できるか、と考えていったらセットアップに行き着いた、ということらしいです。抄であり、正確な引用ではありませんが。
 
一本のみ、インディゴブルーのGrass Jeansのデニムをどうしても手放せないでいます。夏場、ロールアップしてはくと最高に涼しいのです。これはシャツやジャケットとの相性は素晴らしいものの、自分のコードに外れるのが少々呪わしい。
 
本当はセットアップも一揃いだけにしたいけれども、クリーニングとかの予備を持たないと逆に不自由になるかな、とも思ったので、今のところセットアップ三組相当です。
 
 

#COMME des GARÇONS HOMME PLUSのテーラード・ジャケット

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ジャケットとベストが融合したデザイン。これは古着で購入。
ギャルソンのは厳密に言うとセットアップではないのですが——共布で作られていないし、そもそも製作年代なんかも異なる——生地の色味も質感もシルエットも、組にして違和感がないので、そういうふうに扱っています。
少し袖丈が長過ぎるのでリフォームを依頼しようかとも思いながら、とりあえずロールアップして羽織っています。
 
#COMME des GARÇONS HOMMEのパンツ×2
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一本は5pockets、つまり、一般的なジーンズと同じような構造になっているけれど、ウール混の生地の感じ等でそう見えないところが気に入っています。これは部屋着にしていますが、シャツだけ替えてジャケットを羽織り、そのまま外出することも多々あります。
 
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もう一本は綿のみで、普通に手洗いできること、やや生地が薄めで涼しいことから、主に暑い時期にはきます。
 
SHIPSのツーピース・セットアップ
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完璧にフィットしていて、デザインもシンプル、さらっとした肌触りが気持ちいいです。強いて言えば、遊び心がちょっとあってもいいかな、とも思いますが。
 
#COMME des GARÇONS HOMMEのロング・テーラード・ジャケット
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コート代わりにもしているのだけれども、ちょっと薄手なので、来シーズンは分厚いコートに買い換えることを検討中。重いウールのロングコートは大きくて荷物になるので、引っ越しする前に処分してしまっていたのです。
でも寒いときは寒い。
というか、専らジャケットとして取り扱うように捉え直すのが本来でしょう。
 
こう改めて見つめなおすと、やっぱりSHIPSのセットアップは不要かな、と思います。
手放したほうが良さそうです。
 
……古代ギリシャとかローマみたいに、トーガのような布一枚身にまとうだけのスタイルがリヴァイヴァルして支配的にならないかな、とかちょっと思ってしまいますが、無理でしょう。