clap3’s blog

哲学的実践の記録。きみの鞄は未だ重いのかい?

人生の荷物 8 ネクタイ

ネクタイは二本だけ残しました。
比較的ナローなものだけ。

#JUNYA WATANABE MAN COMME des GARÇONS×2

シャドーペイズリー、ドット。どちらも心の底からお気に入り。

#タイピン。
はるか昔、親戚の伯父さんからプレゼントされたもの。オーストラリア土産。ゴールドでコアラとカンガルーが象られていて、空色の小さなオパールがあしらわれています。ダークカラーのタイによく映えます。保持力も高い。

人生の荷物 7 靴

Leather trampでありたい——今のところ本当に放浪しているわけではありませんが——
という思いから、持っているのは革靴だけです。
服との相性から言っても、テニスシューズなんかは無理があります。

あと単純に、古着屋で革靴がズラリと並んでいるのを見るのが好きです。
暖色の照明を、各々に降り積もった時間に応じて反射する様は何ともいえない。

全部で4足。これでも多すぎる気がしていますが。

#Salvatore Ferragamo ワインレッドのストレートチップ
かなり前に大須の古着屋で購入。色味、フォルムともに絶妙。

#ADAM ET ROPÉ サンダル
暑いときに。
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#ADAM ET ROPÉ チャッカブーツ
プレーンな感じが好ましい。

#Dr. Martens 8HOLES
昔古着屋で購入。かなりオーバーサイズ。
手放すことを検討中。
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人生の荷物 6 シャツ

 Tシャツは一枚も持っていません。
襟つき、長袖のシャツだけ。

一枚でさらっと着ても成立する。ちょっと暑いときは袖を折る。もっと暑くて仕方ないときにどうするかは今シーズン考えます。

#COMME des GARÇONS HOMME×3
藤色のウイングカラー。

ストライプシャツ。襟と袖口はペイズリー。

白シャツ。やはり外せない。カラーは小さめ。

ギャルソンのシャツはどれも肌触りがよいです。パリッとした生地の質感も素敵。


#SHIPS ストライプボタンダウン
ライトブルー、グレー。どちらもボタンダウン

人生の荷物 5 ジャケットとパンツ

  • 服を着ないで過ごすことは至難な世の中です。
そういう前提をひとまず受容した上で、洋服を減らす為にどうすればよいか吟味しました。すると、制服化するという選択にすぐに行き着きます。
自分が目指すのは、完璧にシックであること。
 
世の中には様々な種類の衣服の形態があり、さらにその組み合わせということとなれば、万華鏡の模様の数ほどにもなります。しかし、その中で真にシックといえるものはかえって少ない。
自分の規則が、スタンダードの資格を得ていないものは使わない、例えば、チェスターフィールドコートやトレンチコートはいい。もとを辿れば一個人の変わった仕立てや軍服だったかもしれないが、フォーマルとしても通用するようになっている。
機能性の高いアウトドアウェア——防水のマウンテンパーカーや薄くて軽量な割に保温効果に優れるダウンジャケットとか——は、やはり違うな、となる。時の洗礼を受けておらず、少なくとも略礼装程度には受け入れられていないもの、これはいけない。
 
色柄もの、スポーティなもの、ワークウェア、癖の強いもの、凡て取らない。僅かに参考にしたのは、古い映画とかドキュメンタリーなんかで、ヨーロッパの人々とかが完璧に普段着としてジャケットとパンツのセットアップを身につけているスタイル。
第一次大戦や第二次大戦の記録映像や、明治、大正、昭和初期の日本人の端正な洋装を写した幾葉かの写真、キューブリックの時計仕掛けのオレンジやそういったもの。
いかにも上品で、しかもポエチカルだ。
 
というわけで、持っているのはセットアップだけ。色は黒もしくは黒に近いダークグレーのみ。ドレスコードのあるところでも基本大丈夫。そんなところいかないけれども。何より着ていて自分が心地よい。
 
 
高城剛氏という人は面白いことを述べていて、どうすれば野宿もできて、バイクも乗れて、ディナーや冠婚葬祭にも出席できるか、と考えていったらセットアップに行き着いた、ということらしいです。抄であり、正確な引用ではありませんが。
 
一本のみ、インディゴブルーのGrass Jeansのデニムをどうしても手放せないでいます。夏場、ロールアップしてはくと最高に涼しいのです。これはシャツやジャケットとの相性は素晴らしいものの、自分のコードに外れるのが少々呪わしい。
 
本当はセットアップも一揃いだけにしたいけれども、クリーニングとかの予備を持たないと逆に不自由になるかな、とも思ったので、今のところセットアップ三組相当です。
 
 

#COMME des GARÇONS HOMME PLUSのテーラード・ジャケット

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ジャケットとベストが融合したデザイン。これは古着で購入。
ギャルソンのは厳密に言うとセットアップではないのですが——共布で作られていないし、そもそも製作年代なんかも異なる——生地の色味も質感もシルエットも、組にして違和感がないので、そういうふうに扱っています。
少し袖丈が長過ぎるのでリフォームを依頼しようかとも思いながら、とりあえずロールアップして羽織っています。
 
#COMME des GARÇONS HOMMEのパンツ×2
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一本は5pockets、つまり、一般的なジーンズと同じような構造になっているけれど、ウール混の生地の感じ等でそう見えないところが気に入っています。これは部屋着にしていますが、シャツだけ替えてジャケットを羽織り、そのまま外出することも多々あります。
 
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もう一本は綿のみで、普通に手洗いできること、やや生地が薄めで涼しいことから、主に暑い時期にはきます。
 
SHIPSのツーピース・セットアップ
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完璧にフィットしていて、デザインもシンプル、さらっとした肌触りが気持ちいいです。強いて言えば、遊び心がちょっとあってもいいかな、とも思いますが。
 
#COMME des GARÇONS HOMMEのロング・テーラード・ジャケット
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コート代わりにもしているのだけれども、ちょっと薄手なので、来シーズンは分厚いコートに買い換えることを検討中。重いウールのロングコートは大きくて荷物になるので、引っ越しする前に処分してしまっていたのです。
でも寒いときは寒い。
というか、専らジャケットとして取り扱うように捉え直すのが本来でしょう。
 
こう改めて見つめなおすと、やっぱりSHIPSのセットアップは不要かな、と思います。
手放したほうが良さそうです。
 
……古代ギリシャとかローマみたいに、トーガのような布一枚身にまとうだけのスタイルがリヴァイヴァルして支配的にならないかな、とかちょっと思ってしまいますが、無理でしょう。
 

ヴィオロン

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阿佐ヶ谷駅から少し歩いたところで出会いました。まさに運命的です。


昨日のことですが、愛知から友人が訪ねてきて、我々の常としてそこここを彷徨しました。
大学時代から私は二人の学部の友人と親しくしていて、きまって我々は語らい、あてもなく歩いていました。
そうして、偶然見つけたのです。


ドアを開けるとまず中央に一段低くなったフロアが目に入ります。建物の一番奥はさらに低く、巨大なスピーカーユニットがひっそりと聳えています。巨軀に反して、威圧感はありません。奏でる音も朴訥として柔らかいものです。
シートは中央とその周囲に設えられています。
入り口から見て右側にはアップライトのピアノが、反対側はキッチンになっています。そちら側の壁には棚が作りつけられ、夥しい量の真空管が整列しています。棚と低くなったフロアの間にはこれもまた膨大な量のレコードがありました。
初めてですが、名曲喫茶というやつらしいです。
我々はスピーカーの真ん前の席に落ち着きました。

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内部は完全に異界の空気を湛えています。教会や神殿のような荘厳さと、秘密の地下室めいたひそやかな親密さと、主人の人柄によるのでしょう、温和さを含み、悠久の時間の影も差しています。

カーテンの向こうに元来た世界がまだ広がっていることが俄かに信じ難い気分になります。

私はコーヒーを、友人はストレートの紅茶をオーダーし、きちんとした格好の主人——あまり詳細に見ませんでしたが、モーニングかタキシード姿でした——はどちらにもブランデーを少し垂らしてくれました。コーヒーにもブランデーを合わせるのがここの流儀のようです(ミルクと選べます)。一杯僅か350円という価格も凄いです。

飲み物を運んできた主人は何かリクエストがあったら仰って下さいと言い、私は「このスピーカーで夜の女王のアリアを流したらどんな風になるんでしょう」と遠慮がちに申し入れました。私は写真を撮ってもよいかとも尋ね、主人は快く応じてくれました。
それまで掛かっていたレコードが終わるのを待って、主人は「魔笛」を夜の女王のアリアのところから回してくれました。

元々のレコーディングがそうなのか、実に優しく、ソプラノも迫り来る、突きつけるというより包み込むような響きでした。

その日の我々には時間の制約があったため、アリアが終わって歌曲が続く中早々に席を立たねばなりませんでしたが、素晴らしい時間でした。

帰り際に伺ったところによると、真空管アンプは現在のもので4代目ということでした。
夜には生演奏が催されることもあるようです。

帰ってから調べてみたところ、オーディオは全て主人の自作ということでした。

備長マグロのスパゲッティ

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仕事帰りに駅前の西友で備長マグロ(加熱用。解凍。)が格安だった——パックに山盛り詰められて230円少々——ので、これを主役に据えたメニューを即興で考案しました。

【材料(一人分)】
・備長マグロ(加熱用) 200〜300g
・キャベツ 大きめの葉数枚(荒く千切っておく)
・オリーブオイル 大さじ2〜3
・にんにく 1片
・唐辛子(乾燥) 2本
・醤油 大さじ2くらい
・麺つゆ 大さじ3くらい
・タイム 少々
・レモン汁 少々
・白ワイン 100ml
・スパゲッティ 100g
・塩(スパゲッティを茹でる湯に対し1%)
・スパゲッティの茹で汁 50〜100ml
・大葉 3枚

イタリアンの基本に倣い、フライパンにオリーブオイルオイル、薄切りのにんにく、刻んだ赤唐辛子を入れ、弱火で熱してオイルに香りをつける。

浅型のコッヘルに麺つゆ、醤油を溜めておき、備長マグロをしばし(5分程度でもOK)漬け込む。
フライパンに備長マグロを漬け汁ごと投入し、レモン汁、タイムを全体にさっと振りかけ、キャベツを加えて強火〜中火で火を通す。

キャベツがしんなりし始めたら一旦火を止め、深型のコッヘルにたっぷりの水、塩を入れてスパゲッティを茹でる。スパゲッティの茹で時間は表示より2〜3分短くする。くっついてしまわぬように、茹で上がったスパゲッティには少量のオリーブオイル(分量外)を垂らして混ぜておく。

フライパンにパスタの茹で汁、白ワインを注ぎ、強火でアルコールを飛ばす。
根気よくフライパンを揺すって十分にマンテカーレ(乳化。オイルとパスタの茹で汁を一体化し、ソースにする)させる。

フライパンにパスタを戻し、中火〜弱火で手早く絡め、ソースを十分に吸わせる。

皿に盛り、刻んだ大葉を散らして完成。

口に入れると、まずレモンとタイムの爽やかな香りが広がり、唐辛子のピリッとした刺激が後から追いかけてきます。大葉もいいアクセントになっています。
香りの強いものを複数使っているわけですが、それぞれが諍うことはなく、むしろ気持ちの良い重奏をなしていて非常においしい。
塩代わりに醤油、麺つゆを使っているのに、和風な印象はほとんどありません。多分、何も説明せずにサーブしたら大概の人は気付かないでしょう。もちろん、味はしっかりついています。

チキンとトマトのパルメジャーノグリル

【材料(一人分)】
・ 鶏胸肉 1/2枚
・トマトピューレ(紙パックのもの。缶入りでも何でも可) 1/2
・ピーマン 2個
・キャベツ 1/6玉前後
・オリーブオイル 大さじ1〜2
・にんにく 1欠
・パルメジャーノ・レジャーノ 大さじ1〜2くらい
オレガノ 少々
・塩 少々
・ブラックペッパー 少々
ナツメグ 少々
・チリパウダー 適宜
・赤ワイン 50〜100ml

にんにくは薄皮をむいて薄切りに、ピーマンはヘタと種を取り除いて輪切りに。
フライパンの底にまんぺんなく行き渡るくらいオリーブオイルを注ぎ、にんにく(とチリパウダー)を焦がさないように弱火で熱する。
にんにくの香りがオイルに十分移ったら一旦火を止め、フライパンの真ん中に鶏肉を置き、両面に多めに塩を振る。任意の面を表とし、表面にブラックペッパー、ナツメグをかける。
周りにピーマン、一口大にちぎったキャベツを敷き詰め、トマトピューレを全面に回し入れる。野菜にもさらっと塩をし、一面にオレガノを振ったら、全体にパルメジャーノ・レジャーノをたっぷりまぶし、蓋をして中火で加熱する。
野菜の水分が概ね蒸発しつくしたところで赤ワインを回し入れ、強火にしてアルコール分を飛ばす。頃合いを見て中火に戻し、じっくり焼く。
焼き加減を見て、仕上げに鶏肉を一度裏返して表面にも少し焼き目をつけて完成。


焼いているときのチーズとトマトの匂いがたまらなく食欲をそそる一品です。とても美味しかった。手軽だし、そこそこ野菜も摂れる上、材料は安価に調達可能。彩りもよい。

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